営業クロージングのポイント
営業クロージングとは、最終プレゼンテーションも終了しジャッジを待つだけの状況において、自ら考えて動き受注率を100%に持って行くための大詰めの活動です。やることやったら後は運を天に任せて待つとは良く言いますが、本当にやることとはクロージングをすることまでです。トップ営業なら誰でも行っている営業の真骨頂であり、営業の醍醐味とも言える大仕事です。
そもそもクロージングできる状態にあるか?
クロージングできる状態を一言で言えば、お客様が「迷っている」ことです。一寸の迷いも無く購入しないことを決めつけているのであれば、それはまだクロージングするには早すぎます。その前の商品説明や提案活動に落ち度があると考えましょう。この場合には“無駄”なクロージングに時間を費やさず、速やかに提案フェーズへ戻すようにしょう。
本当にお金で迷っているのか?
駄目な営業と敢えて言いますが、駄目な営業は、クロージングのキーファクターにお金を置いてしまいます。今は不況ですので、確かにお金はお客様が迷う大きな要因ではありますが、お金とは価値に対して払われる相対的なものです。お金が安ければ買うというのは、その程度の提案しかできていないということです。そもそもマーケティングが弱く市場に見合った価格設定ができていなかったり、値引きをして受注することを社の方針としていて敢えて高い定価を設定している、ということでも無い限りはお金以外の所で勝負できる余地があるはずですので、自らの提案を見直しましょう。お金でしかクロージングできない営業は長い目で見ると会社にとってもマイナスの人材です。
リスク・デメリットを明確に限定する
迷っている人というのは、メリットが分からないから迷っているのではなくて、見えないリスクやデメリットがあるのではないかということで迷っていることが殆どです。「営業は良いことばかり言う」という固定観念も働きますので、ここはお客様にとって提案商品を契約することで考えられるリスク・デメリットをきちんとお伝えするようにしましょう。また、大切なポイントは「それしかない」「それだけだ」と言い切ることです。これが言えなければ、お客様は「他にもあるのではないか?」と疑心暗鬼になり、返って悪循環を招きます。
小さな合意を積み重ねる
いきなり「契約して下さい」という大きな合意を迫っても、迷っている人は中々買ってはくれません。小さな合意を積み重ねていくと次のような流れで目的である注文にたどり着く場合があります。「シュミレーション差し上げたいので、このシートに○×だけ記入していただけませんか?」→「シュミレーションの結果をご相談したいので、もう一度だけ会っていただけませんか?」→「良い提案ができそうですので、ご主人に・部長に会わせていただけませんか?」→「3ヶ月無料でご利用いただけますのでお試しいただけませんか?」→「スモールプランから始めませんか?」と、言う具合です。迷っているお客様に対して、いきなりゴールドプランが成約できる訳はないのです。
敢えて大きな要求をする
上記と矛盾するようですが、敢えて大きな要求をするという方法もあります。要は、本当の落とし所をまずは決めて、その落とし所よりも大きな要求をするのです。本当はスモールプランで契約いただければ良い注文を敢えてゴールドプランでの注文を迫る訳です。そうすると折衷案としてスモールプランどころかミドルプランで注文が来たりします。ただし、これはあくまで迷っている中でもほぼ買う気に傾いている方に使う方法であって買わない方の確率が高い方には上述の通り、小さな合意を積み重ねる方法でアプローチをするのが得策です。
今でなければならない理由を伝える
不況のご時世において、興味があるだけでは人はモノを買いません。その商品の必要性・重要性まで認識できてこそ堅い財布の紐が緩みます。更に言えば、その必要性・重要性が「今」であることを認識いただくことができるか否かが最も重要なのです。なぜ、お客様はその商品を「今」買わなければならないのでしょうか?この質問をすると、良く「キャンペーン期間中だから」という回答をしてくるケースがありますが、これは売り手の理論であって買い手にとってはその商品に必要性か重要性が無い限り、どうでも良い話なのです。そのためにはお客様の状況を深くヒアリングして理解することが必要不可欠です。
第三者(顧客・既契約者)の声を伝える
目の前の営業と散々話した挙げ句に迷っている場合には、結局はどんな営業をかけようと自分の話ではこれ以上話が前に進むことはないかもしれません。そんな場合には、実際にその商品を購入・利用している顧客・既契約者の声をお届けするようにしましょう。今はネットの世界を見ても「カスタマーレビュー」なるいわゆる「口コミ」が最も高いプロモーション効果を生む販促手段であるとさえ言われています。
説得ではなく納得
パワーセールスと呼ばれるような説得術は高等な営業テクニックとしてもてはやされていますが、システム営業.Netではハッキリ言ってお勧めしません。理由は単純です。説得して成立したものは「長続きしない」ことが多いのです。そもそも説得型営業を展開する企業では、商品も育ちませんので中長期的に見れば自社のためにもなりません。システム営業.Netは、一過性の成功ではなく営業として永続的な成功を目指すマーケティングセールスを支持します。
説得ではなく納得の営業を心がけましょう。