提案書作成 - SystemSales.Net

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提案書の書き方

提案書の目的は、提案内容を伝えその提案を買って頂くことです。営業にとっての提案書は評価して頂くものではなく買って頂くものでなければなりません。提案書が必要だからというだけで出来あわせの資料を使い回したり組み合わせたりするだけでは、お客様にとって買いたくなる提案書とは言えません。システム営業.Netでは、提案書を書くためのMicroSoftのPowerPointの使い方などではなく、実践的な提案書作成時に押さえるべきポイントをご紹介します。

商品ではなく、ニーズ充足策・課題解決策を提案する

提案営業を熟知していないと、提案書の中心がどうしても自社取り扱いの商品(製品・サービス)中心となってしまいます。提案営業の場合、お客様は商品が欲しいのではなく、自らのニーズを満たしたいか課題の解決がしたいのです。このことを忘れてはなりません。従って、提案書のタイトルも「○○商品のご提案」とはならず、「○○商品を活用した□□のご提案」とした方が良いのです。□□の部分にお客様の求める言葉を入れましょう。

良い構成とは?

提案書の構成とは、業種・業界や取り扱う商材により異なりますが、概ね下記のポイントを押さえていることが重要です。

  1. ごあいさつ(冒頭に提案機会を頂いたことへの感謝とお礼)
  2. 会社概要(基本的事項に加え会社ならではの特長を含める)
  3. 提案背景(お客様の現状と問題点の洗い出し、ニーズ・課題の抽出・整理)
  4. 提案内容(ニーズ充足案or課題解決案)
  5. 提案効果(提案を受けた後にお客様が得られるであろう効果・メリット)
  6. 実現施策(提案内容実施のための具体的なニーズ充足策or課題解決策)
  7. 提案特長(競合他社には無い、オリジナルの特長)
  8. 商品説明・特長(提案内で製品やサービスなどを利用する場合に必須)
  9. 事例(お客様に参考となる同内容の提案や商品の事例)
  10. 提案条件(お客様にお願いしたいことなどがある場合に必須)
  11. 体制図(プロジェクト型で複数人でチームを組む場合には必須)
  12. スケジュール(契約後の商品導入・サービス利用開始までの流れ)
  13. 費用(見積もりの考え方については後述)

1ページ1テーマ

提案書は1ページに1メッセージを心がけましょう。1ページに複数のメッセージを載せてしまうと、プレゼンテーションを受けながら読んでいる時はまだ良いのですが、後で見返した時などに結局何が言いたかったページなのか訳が分からなってしまいます。
中核ページには文字は少なく
提案書の中心となる提案内容や施策ページの文字の分量は、どんなに多くても1ぺージ 400字、原稿用紙1枚分までとしましょう。この文字量で大体1ページの半分を文字が覆うことになります。これ以上多いと文字だけのページとなり一見では提案を把握することができません。上述の1ページ1メッセージを意識すれば、この通りで収まるはずです。

図を使う

提案書というのは図解の有無でお客様の理解度に大きく違いが出てしまいます。では、そもそも図が文字よりも優れている点はどういったものになるのでしょうか?

  • 順番を表現できる
  • 同時平行フローを表現できる
  • 構造を表現できる
  • 量・大きさを表現できる
  • 形を表現できる
  • 対比・区別を表現できる(色)

これらは言い換えれば図を使う目的とも言えます。逆に言えば、これらが不要な文書であるならば図は不要です。
図解化を一部の者しかできない特別スキルと考えている方もいるようですが、図解化は難しいことではありません。誰にでもできます。図解化の手順としては、まずは伝えたい文書を書いて下さい。そしてその文書を見ながら、順番・同時並行・構造化・量・大きさ・形・対比・区別ということを文字として表している文章が無いかをチェックします。あったらそれを□や○で囲んで必要に応じて大きさを変えたり、矢印や傍線を使って繋げれば良いのです。それだけです。

見積書は別紙で

提案書提出の際には当然見積書も必要となりますが、基本的に見積書は提案書とは別紙で提出するようにしましょう。理由としては2点あり、1つがプレゼンテーションと同時に提案書を配る場合、多くのお客様は提案を受ける前に見積のページを見て価格で提案を判断してしまうためです。これでため息などをつかれてしまうと、プレゼンをする方も受ける方もシラけてしまいます。もう1つは、提案書がお客様の社内で展開される場合に展開される必要のない見積金額まで展開されてしまうためです。見積書を別紙で分けておけば、展開されるのは提案書だけになる可能性が高まり、先方社内で金額的なことで余計な横やりが入ることもありません。

オリジナリティを追求する(使い回しはNG)

上述のように、提案営業は、商品を提案するのではなくその商品を使うことで実現されるニーズ充足策や課題解決策を提案している訳です。そう考えると基本的には1社1社、1名1名、ニーズも課題も微妙であっても異なるのが普通ではないでしょうか?その事を忘れないで下さい。どのお客様も自社は自分は特別であると考える傾向があります。その特別な自社・自分に特別の提案をして来ないとは何事だというのがお客様の本音です。資料の使い回しなどはすぐに分かります。

費用対効果を含める

100年に一度の不況と言われるこの時代です。お客様は興味があるだけでは商品を買ってはくれません。その商品に興味に加えて価格的合点を感じることがなければ契約していただくことはできないのです。従って、提案書の中には利用・導入の効果として必ず費用対効果を入れるようにしましょう。貴方の商品はお客様にどのような経済効果をもらたしますか?売上増ですか?コストダウンですか?究極にはこのどちらかしかないはずです。