問題構造化・解決策考案のポイント
いよいよシステム営業のソリューション営業としての腕の見せ所です。ソリューション・コンサルティング色の強いシステム営業が最も時間をかけるのがこの問題構造化及び解決策考案です。これの質が受注を左右することは間違い有りませんのでしっかりと身に付けましょう。
問題を発見・定義する
パワーポイントで一人で行う方法と複数人でホワイトボード・模造紙を使って行う方法とがあります。いずれにせよ、ヒアリングの結果聞いた問題を一つの箱・カードにまとめて下さい。問題の数だけ箱・カードがあることになります。この作業自体が問題を発見・定義するということになります。当たり前ですが、問題の定義無しにこの先の作業は進みません。
問題をグループ分けする
並んだ問題をいくつかのグループに分けます。この時に大事になるのは軸の考え方です。企業がシステムを購入する際の目的とは単純に「売上げが上がるか」「コストダウンができるか」「法規制に対応できるか」のどれかですので、まずはこのくらいの軸で分けていきます。これをやっているとどれにも当てはまらないものも出てきます。それはすなわち重要な問題ではありません。問題の形をしたただの事象です。
因果関係を考える
問題ごとに何故その問題が発生しているのかという原因を考えて行きます。問題が問題を引き起こしている場合もありまりますし、問題同士が紐付かずに新たな問題(見えていなかった問題)が見えてくることもあります。ここではいくつかの因果関係のブロックができあがることとなります。
問題を構造化する
問題のグループと因果関係のブロックを包括的に見て、全てに関係性を持たせていきます。まずは因果関係のブロック同士の紐付けから行って下さい。時には問題のグループが所属グループを超えて結びつくこともあります。この作業のゴールは、本当の問題である課題を明らかにすることですので、ツリー構造になっていることが基本です。コンサルタントに言わせればツリーの頂点(課題)は一つであるべきという理想論が書かれていますが、実際には課題はどうしても複数ある場合(頂点が複数ある場合)が殆どです。その場合にはそれで構いません。
課題に対する解決策を考案する
一つひとつの課題に対する解決策を考案します。当然ながら、自社の製品・サービスがこれらの課題にどう貢献できるかというポイントをまとめます。時には自社の製品・サービスだけでは賄えないものもあるでしょう。正攻法で行くのであれば、この場合にはやはり外部の製品・サービスを見つけて一緒に提案すべきです。解決策考案時のポイントは、“なぜ”その解決策が課題の解決をもたらすのかという十分な根拠が求められます。
解決策に優先度を付ける
さあ仕上げです。解決策に対して「重要度」と「緊急度」という軸に従って優先度を付けていきます。重要か否かのポイントは、解決策の元となる課題を解決しないと「売上・利益減」につながるか「コスト増」につながる場合です。緊急か否かのポイントは解決策の元となる課題を解決しないと「経営・業務が進まない」場合です。重要度と緊急度が重なるものが当然一番の課題・解決策です。普通に考えれば次は重要度は低いけど緊急度が高いものが解決すべき課題となるのですが、仮に緊急性を低めるための施策があるのであれば、緊急度は低いけど重要度が高い課題と解決策を優先すべきです。