ヒアリング - SystemSales.Net

システム営業の基本とノウハウ
大手からベンチャーまでの現役トップ営業集団が作った、システム営業・IT営業担当者向けの超実践的営業ノウハウサイト

ヒアリングのコツ・ポイント

ヒアリングの目的は、お客様のニーズ・課題を探りその充足・解決策となる提案を考案することです。ヒアリングの出来がそのまま提案の出来、しいては受注できるか否かということにつながる非常に重要な仕事になります。聞くべきポイントとそのコツを抑えて心して臨みましょう。

現状と問題は?

お客様からはお客様個人や社内にニーズ・課題があるために提案を求められる訳ですが、ニーズ・課題があるということは必ずその裏に問題があります。その問題が何なのか?どういう現状があるから発生している問題なのか?こうした背景を押さえることで提案の最大のポイントを把握することができます。(お客様の方で問題というものへの意識が薄く、欲求の方が優先されている場合には、ここは深くヒアリングする必要はありません。)

ニーズ・課題の優先度は?

複数のニーズ・課題がある場合、これを全て提案していくことはできませんから、その優先順位を伺うようにしましょう。また、何故それが最大のニーズ・課題であるのかを伺うと、結果的にその背景にある最大の問題が見えてきます。
業者選択をする上で重視するポイントは?
お客様は、自らのニーズを充足・課題を解決してくれる業者を探します。その上でお客様は通常複数社を比較検討されます。営業としては、この際のポイント、つまり「業者を選択する上で何を最も重視されますか?」ということをヒアリングすると提案の要所が見えてきます。

ここまでの2点については、相当な初心者でなければシステム営業は基本的にヒアリングできるものです。システム営業の本当のヒアリングの勝負所は下記からのヒアリングができるか否かにかかっています。自らの振り返りも含めてご覧ください。

決裁者は誰なのか?

多くの場合、営業が相対するのは決裁権の無い担当者です。本来は決裁者と商談・ヒアリングできればベストなのですが、簡単には決裁者には引き合わせてもらえないこともありますから、下記の各ヒアリングポイントを質問する際には、担当者の回答だけでなく、「決裁者の方としては何と回答されそうですかね?」と言う質問を混ぜながら本質に迫りましょう。もの凄く話しが盛り上がり、もうこれはうちしかない、受注決定だ!と思ったにも関わらず失注するケースというのは、概ねこの決裁者に対する意識が甘い場合です。
(中には決裁者が決定権を完全に担当者に委譲しているケースもあります。

トップダウンかボトムアップか?必ず購入するのか?

営業している商品の検討は、役員などの上層部で持ち上がったものなのか、それとも担当者レベルでこれから起案して行くものなのか?を聞くようにしましょう。また、トップダウンの場合は、基本的には必ずどこかの業者から購入することを前提に検討を進めているのかを聞くようにしましょう。これでお客様の本気度が分かります。

予算はあるのか?

決裁者がトップダウンで購入することを前提に検討している場合でも、予算が無かったり少なかったりする場合もあります。予算の有無と有る場合にはその金額を聞きましょう。予算あっても少ないと思う場合には、どういう提案であればその枠を広げることができるのかという可能性についても聞いてみましょう。予算が無い場合は、あくまで担当者の私見で構わないということを添えて、予測の金額を聞いてみましょう。

価格の次に重視するポイントは?

この不況下において、お客様が価格を重視するのは当然のことです。従って営業としては、お客様に重視するポイントを伺った際に「価格」と言われて納得してしまっては失格です。価格競争というのはできればどの企業も避けたいのが本音です。価格競争に陥らないためにも「価格は当然であると思うのですが、価格以外に重視されるポイントがあるとするとどれになりますか?」という質問を必ずして、そこを勝機と見て提案を考案するようにしましょう。

スケジュールは決まっているのか?

スケジュールとは、その商品を利用したい日というものが決まっているのか?もう一つはその商品の購入を決定する日が決まっているのか?ということです。これらが明確になっていれば、それだけ購入意欲も高いということができます。また、準備期間が必要な商品で、それがどうみても間に合わないと思われるようであれば、そのスケジュールを延ばせる可能性についても伺う必要があります。

阻害要因は何か?

どんな商談にもリスクは付きものです。いくら話が盛り上がってヒアリング上も問題が無いと思えても、最後に必ずこの質問をするようにしましょう。「購入しない可能性があるとするとどんな場合ですか?」という質問です。中小企業の場合に良くある回答は「うちの社長はワンマンなんで、鶴の一声でひっくり返る場合があります。」というものです。その場合には、具体的な過去の鶴の一声の例を聞いてみましょう。その中に鶴の声を抑止できるかもしれないポイントが潜んでいる可能性があります。