法人営業成功の秘訣
営業シナリオを作成する
さあ、いよいよ稟議階層・権力相関図にいる方々へ営業か、と思いきや、ここでもう一つ万全を期すために営業マンが行うことがあります。
それは、営業シナリオの作成です。
営業シナリオというのは、平たく言えば案件ごとの活動計画表です。ゴールは受注におき、それまでに逆算して5W1Hの要素をまとめるのです。いつ、どこで、誰が、誰と、何を、どのように話すのか?そしてそれは何故か?ということです。これまでの過程で担当者をきちんとコーチ化できている場合には、コーチからは下記の情報を得ることができます(得ている必要があります)ので、自分の一人よがりではなく確実に受注するためのシナリオが描けるはずです。
- 稟議階層
- 権力相関関係
- 営業をかけていった方が良い順番・時期
- 各人物の人間的特徴(好きな人間のタイプ・嫌いな人間のタイプ)
- 各人物の業務上のミッション
- 各人物の所属する部署のミッション
- 会社のミッション(全社的に力を入れている事業・改善を視野に入れている業務)
- 各人物が提案の中で高評価するであろうポイント
- 各人物が提案の中で酷評するであろうポイント
- 各人物のNGワード(嫌う言葉)
- 抵抗者・反対者の有無
上手くコーチ化できている場合には、担当者の方から「うちの役員会は毎月20日にあるから、それまでには15日までに全員に提案を終了した方が良い。また、○○さんについては、□□さんの後に□□さんのお墨付きをもらっている商品ですと入って説明した方が円滑に進むはずです。」などの話がいただけるものです。
こうした情報も営業シナリオの作成上非常に有効です。
また、第一回の連載でもお伝えした通り、法人営業は組織と組織の戦いですので、営業をかける側としても、一人で進めるのではなく、お客様のレベルや専門によっては配役を変えて臨むようにしましょう。
前々回から担当者をコーチ化の必要性とそのメリットをお伝えしてきましたが、再度まとめますと、担当者をコーチ化するメリットは下記3点です。
- 受注上必要な情報を提供していただくことができ、“受注するための”営業シナリオを作ることができる。
- コンペならない or なっても出来レース。
- 営業マンと一緒になって受注するために社内ネゴに動いていただける。
これらが有ると無いとではその後の結果が変わってきてしてしまうであろうことは容易に想像できますよね。やはり担当者のコーチ化は重要です。
さあ、これでいよいよ営業シナリオに従って稟議階層・権力相関図の方々へのアプローチを開始することになります。次回はこの際のポイントを「シナリオアプローチ」と題してご紹介します。