第6回 シナリオアプローチ - SystemSales.Net

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法人営業成功の秘訣



シナリオアプローチ


さあ、いよいよ営業シナリオに添って稟議階層・権力相関図の方々へアプローチの開始です。コーチのアドバイスにも従って提案するようにしましょう。前回のおさらいですが、この時点でコーチからは下記の情報が入手できています。

  • 稟議階層
  • 権力相関関係
  • 営業をかけていった方が良い順番・時期
  • 各人物の人間的特徴(好きな人間のタイプ・嫌いな人間のタイプ)
  • 各人物の業務上のミッション
  • 各人物の所属する部署のミッション
  • 会社のミッション(全社的に力を入れている事業・改善を視野に入れている業務)
  • 各人物が提案の中で高評価するであろうポイント
  • 各人物が提案の中で酷評するであろうポイント
  • 各人物のNGワード(嫌う言葉)
  • 抵抗者・反対者の有無

これらの情報を活用すると言うことは、ある意味自分の営業の型というものは無視しなければなりません。絶対にこの手順・内容を説明すれば受注できる、という自分の王道は忘れて下さい。受注するためには、One-to-Oneでのオーダーメイドでの提案が必要です。

また、担当者の時と同じように、上記の中でも特に各上司の方のミッションが何なのかということは十分に頭に入れて臨むようにして下さい。法人営業と言えど、結局は個人営業の積み重ねです。人間の性かもしれませんが、役職者であろうがなかろうが、まずは自分へのメリットの有無を見てしまうものなのです。

何よりも大切なのが個人のミッション、次が部署のミッション、最後が会社のミッションです。この順番は非常に重要です。この視点は個人向け営業しか経験していないと中々持つことができないため、法人営業特有のものと言えます。(唯一オーナー社長のみが個人と法人を同等レベルで考えています。)

なお、役職者に面会できる場合にはこちらも役職者を同席させるという適材適所の配役は必ずシナリオに含めて下さい。野球にも先発・中継ぎ・ワンポイント・セットアッパー・クローザーがいるのと全く同じです。法人営業も本格化すれば、営業マンというのはプレーヤーであることは間違い無いのですが、案件の中においては監督でもあるのです。プレイングマネージャーに課せられた使命は先発完投することではなく、試合に勝つこと、つまり受注することです。監督として試合に勝つために、継投などの采配にも力を注いで下さい。

ただし、シナリオ営業を理解できない上司などを同席させてしまうと、フォアボールの連発で一気にノーアウト満塁の状況を作ってしまいます。アナタが作成したシナリオを理解できず、余計なメッセージを発してしまうような上司の場合には返って同席してもらわない方が良いのは確かです。

次回は、シナリオアプローチが全て終了しても待ち構えている障壁について、「役員会・抵抗勢力の壁」と題してご紹介します。